【IR】熊谷正寿が語る「グループ事業戦略」2005

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(ご注意:この事業戦略は2005年版です。最新の戦略はこちらです。)

みなさん、こんにちは。

先日は、海外IRについて、ブログに書かせていただきました。本日は、海外IRで機関投資家の方にお話しした内容を(ほとんど正確に)ブログでお伝えしたいと思います。

少々長文ですが、弊社グループにご投資を検討されている投資家の皆様は是非ご一読頂ければ幸いでございます。

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■GMOインターネットグループについて
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●現在、GMOインターネットグループは、連結対象が25社、スタッフ数は社員・アルバイト・派遣社員を合わせ約2000名で運営されている、東証一部上場企業グループです。子会社含め4社が上場しています。

●私達が、過去10年間やってまいりました事業を一言でご説明すると、「日本でWebサイトをもっとも増やした会社」です。言い方を変えると、「ビジネスマンのメールアドレスをもっとも増やした会社」と言えるでしょう。

●私達のサービスは合計44万社に利用されています。日本の事業所(含む、法人)は600万ですから、いかにマーケットシェアが高いかご理解が頂けると思います。

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■「インターネット活用支援事業(ネットインフラ事業)」事業領域・サービス・シェア・強みについて
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●私達は、現在この3つの事業領域で展開しています。「Webサイトをもっとも増やした。」と申し上げたのは、左上の円の中「インターネット活用支援事業」です。

GMOインターネットグループ3つの事業領域

●この左上の事業領域には、差別化され、極めて高いマーケットシェアを持つ(もしくは、持つ可能性が高い)5つのサービス(★印)がございます。

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(1)ドメイン登録事業(★)
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現在のアクティブな顧客数は約43万件です。
累積の国内マーケットシェアは約40%半ば(※1)です。
月次の国内マーケットシェアは約50%以上(※1)です。
ここは、圧倒的NO1の事業領域になります。

ドメイン事業

●代表的なサービスは、
お名前.com http://www.onamae.com/
JapanRegistry http://www.japanregistry.co.jp/
ムームードメイン http://muumuu-domain.com/
等です。

JPRSさんが開示している、.jpドメインの登録サービス事業者の登録実績ランキング上位10社のうち、5社までがGMOインターネットグループです。(2005/12/24 現在)
http://jpshop.jp/list/gjp_list/gjp_pl1_01.html
――――――――――――――――――――――――
(2)レンタルサーバー事業(★)
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現在のアクティブな顧客数は約30万件です。
累積の国内マーケットシェアは約30%半ば(※1)です。
ここは、圧倒的NO1の事業領域になります。

サーバー契約数推移(千件)

●代表的なサービスは、
iSLE http://home.isle.ne.jp/
Rapid Site http://www.rapidsite.jp/
レンサバ本舗.com(BROAD SERVER)http://www.rensaba.com/shared/
レンサバ本舗.com(まるごとserver)http://www.rensaba.com/dedicated/
@YMCレンタルサーバーサービス http://www.ymc.ne.jp/
ロリポップ!レンタルサーバー http://www.lolipop.jp/
等です。
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(3)Web制作事業
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Web制作事業は、戦略的に「売上向上を図る方針」から現状の売上を維持しつつ、より「顧客満足度を高めていく方針」へシフトしております。

その理由は、二つあります。

1)Web制作事業は、「規模の経済」で利益が拡大する事業ではありません。寧ろ、規模を拡大すると顧客満足が低下する可能性がある大変難しい事業です。
2)インフラ商材を扱って頂いている代理店様が3900件あります。代理店様はWebデザイナーさんや、デザイン事務所さんが多いので、この事業を大きく展開すると競合になってしまいます。

よって、この事業は、より質の高いサービスを提供し、顧客満足を最大化するために、今後も現在の売上を維持しつつ厳選した営業をしていく方針です。
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(4)セキュリティ事業(★)
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この事業は、「GMOホスティング&セキュリ株式会社(マザーズ上場・証券コード3788)」の子会社「日本ジオトラスト株式会社」が行っています。ここは、惜しくもNO2のマーケットシェアです。

現在のアクティブな顧客数は約1万件です。
累積の国内マーケットシェアは約20%(※2)です。

セキュリティ事業の成長及びシェア

尚、足元で連続4ヶ月間、シェア1位のベリサインさんを上回る登録数です。このペースだと約2年半で追い越し、ジオトラストが1位なります。

●サービスは、
ジオトラスト http://www.geotrust.co.jp/
です。
――――――――――――――――――――――――
(5)ショッピングカート事業(★)
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残念ながら、最近スタートしたのでシェアはあまり高くありません。これから力を入れる領域です。サービス・技術は韓国で56%(※3)のマーケットシェアを持つ、コリアセンターという会社と合弁運営しています。結果として国内で一番良いサービスを提供していると思います。また、子会社の株式会社ペーパーボーイが「Color Me Shop! pro」というサービスを展開しており、お客様が急増しています。いずれ1位になります。

現在のアクティブな顧客数は約3400件です。
月次の流通金額は約4億円程度です。(2005年11月度)

カート事業の成長

●代表的なサービスは
MakeShop http://www.makeshop.jp/
Color Me Shop! pro http://shop-pro.jp/
です。
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(6)カード決済事業(★)
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この事業は、「GMOペイメントゲートウェイ株式会社(マザーズ上場・証券コード3769)」が行っています。

現在のアクティブな顧客数は約16500件です。
累積の国内マーケットシェアは約15%(※1)です。
ここも、シェアNO1の事業領域になります。
現在、月次で決済している金額を年次換算すると約2700億円程度になります。

カード決済事業の成長

●代表的なサービスは
ペイメントワン http://www.payment-one.com/
CCS http://www.gmo-pg.com/service/product/
イプシロン http://www.epsilon.jp/
アスナル http://ww2.asnal.com/usr/com/
等です。

●これらの「インターネット活用支援事業」はトータル力で、圧倒的NO1の事業領域です。ドメイン登録事業とかレンタルサーバー事業はNTTグループ様等が競合ですが、かなり大きな差があるという認識です

●これらの、「インターネット活用支援事業」はそれぞれお客様の数が多いので、所謂「規模の経済」で営業利益率が高くなってきています。それぞれの商材が25%~30%の営業利益です。

●このように、企業がインターネットサービスを提供する際に必要なサービスをワンストップで「製造・直販」しているのは、日本ではGMOインターネットグループだけだと思います。

●そして、この「インターネット活用支援事業」は、優れた5つの「ビジネスの特徴」を持っています。

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★特徴(1)ストック収入モデル
一度契約をすると、継続で収入があるストック収入ビジネス=安定している。

★特徴(2)無くならない事業
インターネット産業が続く限り無くならない・自動車産業のを例にすれば、自動車は4年に一度モデルチェンジをします。しかし、道路や信号、駐車場、料金所は車が変わっても無くなりません。車をWebサイトに例えれば、道路はアクセス事業、信号はドメイン事業、駐車場はレンタルサーバー事業、そして料金所は決済事業に例えられるでしょう。私達の行っている事業はインターネットが無くならない限り、継続する事業なんです。

★特徴(3)乗り換えが少ない
Web・メールサーバー業者の乗り換えは大変面倒で、乗り換えが少ないです。

★特徴(4)お客様がサービス利用をやめない
お客様は、WebのURLや、メールアドレスを日々「名刺」に刷って配布されてます。つまり、サービスの利用そのものをやめません。

★特徴(5)自然なアップセル
これらの商材は、自然なアップセルの仕組を持っています。ドメイン登録だけでは、使い道が無いので、サーバーを利用する、サーバーを利用されたお客様の15%程度(※1)がコマース事業をされるので、決済、セキュリティ、カートをご利用になられます。そして、コマース事業をされたお客様の一定%は、集客のサービスをご希望されるのです。
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このように(1)無くならず(2)ストック収入型=安定し、(3)そして大変利益率の高い事業領域で、高いマーケットシェアを持ち、結果としてプライスリーダーとして成長しています。

主要インフラ事業売上高推移

●皆様、インターネットのWeb=データは今後増えますか?減りますか?

私達は、インターネットのWeb=データが増える限り、私達の売上・利益が増えるという事業モデルを日本国内でつくり上げたということです。

●そして、私達は、日本中の企業がWebを立ち上げる為のお手伝いをしています。すなわち、日本中の企業の「インターネット部」の代理をしているということになります。この活動は、結果としてインターネットの情報量を増やし、インターネット産業に、大変大きな貢献をしていると誇りをもっています。「ニッポンのインターネット部を目指して!」これからもグループ一丸となり精進してまいります。

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■「インターネット集客支援事業(ネットメディア事業)」事業領域・サービス・シェア・強みについて
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●「インターネット集客支援事業(ネットメディア事業)」の利益は、まだまだこれからですが、ユーザー数は2000万人・国内3位になりました。

メディア利用者ランキング

ご覧頂く通り、この1年間のユーザー純増数は、Yahoo!様311万人、楽天様102万人に対し、GMOインターネットグループは395万人とブログサービス等の好調により急増しています。

●「インターネット集客支援事業(ネットメディア事業)」は大きく分けると「メディアを作る事業」と「メディアを販売する事業」に分かれます。作る事業は、「GMOメディア株式会社」や、「株式会社ティーカップ・コミニュケーション」、「JWord株式会社」、「GMOアフィリエイト株式会社」、そしてグループ各社で展開しているブログ事業等になります。メディアを販売する事業は、上場している「株式会社まぐクリック(ヘラクレス上場・証券コード4784)」が担当しています。

●メディア事業参入の目的は以下の二つです。

(1)インフラ事業とのシナジー
イーコマース事業をスタートされたお客様は、売上を上げる為に集客が必要になります。集客のメディアを私達が提供することにより、より高い顧客満足と、高い利益率を実現することが出来ます。
(2)長期計画(55年計画)
私達は、55年計画という長期計画をもっています。その計画では2051年に207社の社会や人々のお役に立つ「インターネットコンツェルン」を作る予定です。インターネット産業では、お客様を集められる企業が勝ちます。お客様を集められるメディアを自ら持つことにより、相対的に何の事業を展開しても、競合に対し有利になります。

●現在、ネットメディア事業で力を入れているのは以下の二つです。

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■JWord
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JWordは以下の二つの機能を持っています。

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★機能(1)アドレスバーに、日本語を入力(会社名・商品名)して、ドメインの代わりにWebサイトに誘導する機能(アドレスバー検索機能)

JWord事業とは①

★機能(2)主要なサーチエンジンで、会社名・サービス名を(J)マークとともに表示する機能(サーチエンジン表示機能)

JWord事業とは②

です。
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●Yahoo!さんの「オーバーチャー」、グーグルさんの「アドワーズ」に似ていますが、JWordは
・集客の為の広告というよりは、住所表示のドメインに近く
・「オーバーチャー」等をイエローページにたとえれば、ホワイトページに近い商品です

●インターネットユーザーは無料でこの二つの機能を利用できます。ビジネスモデルは、会社名や商品名等のキーワードを年間6万円~で企業に購入頂く、ストック収入モデルです。

●このサービスをご利用頂いているインターネットユーザーは、約600万人、キーワードを購入して頂いている企業は約1万4000社です。

●JWordビジネスには、優れた「3つのビジネスの特徴」があります。

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★特徴(1)競合参入が難しい。

参入が難しい理由は二つあります。
1)「アドレスバー検索機能」の実現は高度なオリジナルテクノロジーとプラグインの配布が必要です。プラグインは約2700万台(05年9月現在)に配布しています。つまり、JWordプラグインは日本の2台に一台のPCに普及していることになります。つまり、私達はマイクロソフトの次にソフトを沢山配っている会社です。
2)「サーチエンジン表示機能」の実現は大手サーチエンジン様との提携が必要です。
私達は、MSN、グーグルを除く、ほとんどの大手サーチエンジンと業務提携を行い、さらに日本でナンバー1のユーザー数を誇るYahoo! JAPANさんとJWord株式会社が資本提携をした上でこの事業を推進しています。Yahoo! JAPANさん約33.5%、GMOインターネット62.7%という資本構成です。

★特徴(2)粗利益が約70%の高収益ビジネスモデルです。

この第4Q損益分岐を超えました。これからが、利益貢献のフェーズです。

★特徴(3)マーケットポテンシャル 600万事業所+180万件商標=合計780万件
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以上、3つがJWord事業の大きな特徴です。

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■ブログ事業&コンテンツ連動広告
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●私達は、国内3位のメディアグループです。1ヶ月間に私達のサービスに接触するインターネットユーザーは約2000万人いらっしゃいます。そして、この1年間でYahoo!さんを越すユーザーの増加を実現しています。しかしながら、私達は検索ポータルは持っている訳ではありません。ユーザー数500万人前後のブログ等の大規模メディアをいくつか保有しているというイメージです。

●そのサービスを串刺しにして、2000万人にリーチするメディアを作るのが、「コンテンツ連動広告」です。

●代表的なサービスは、
GMO Feed Me! http://www.feedme.jp/
になります。
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■メディア事業総括
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●メディアの事業の投資は終了しました。これから利益です。

●「インターネット集客支援事業(ネットメディア事業)」は、無料で便利なサービスをインターネットユーザーに提供し、そこに広告配信をするというビジネスモデルです。私達の活動は、インターネットを楽しく、便利にします。「ザッツ インターテインメント!」を合言葉により豊かで楽しいインターネットサービスを創造してまいります。

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■「インターネット金融事業(ネット金融事業)」事業領域・サービス・シェア・強みについて
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●高い成長を今後も続ける為に3つ目の領域に今年参入を致しました。

過去10年間、私達はインターネットを「作る」事業をしてまいりました。私達の活動でインターネットは大変普及しました。これからは、普及したインターネットを「使う」事業も良いと考えています。

●インターネット「使う」事業で可能性があるのは、「物が動かない」事業です。即ち、ネットだけで全てのお客様の手続きが完結する事業です。これは、3つあります。

一つは、映画、音楽、ゲーム等の「デジタルコンテンツ事業」です。もう一つは、銀行、証券、保険、融資等の「インターネット金融事業」です。そして、価格比較サイト、検索サイト、等の「インフォミディアリ事業(情報事業)」です。

●私達が最初に手がけた「インターネット活用支援事業」は、「ストック型」で且つ、「永遠に無くならない」という二つのキーワードが成功のキーワードでした。このキーワードを基に検討し、「インターネット金融事業」その中でも「融資事業」を3つ目の事業領域として、まず最初に選択しました。融資事業はギリシャ時代から2500年以上続く=無くならない、ストック収入型の事業です。

●日本の消費者信用マーケットは約60兆円です。その内無担保融資のマーケットが約35兆円、そのうち消費者ローンが約10兆、そのうち大手4社が約7兆円を占めています。大手4社の融資の口は、全国に無数にある、店舗とATM・CDマシーン、及び無人貸出機です。

●私達は、この後数年間で融資の窓口は、「店舗とATM・CDマシーン、及び無人貸出機」から「PCと携帯」に変わると考えています。

CDマシーンからPCや携帯へ

●その理由は、二つです。
融資を受ける方の心理として、

(1)携帯・PCの方が店舗に行くより簡単で、且つ接している時間が多い
(2)融資の手続きをしているところを見られたくない

からです。

●私達は2000万人のメディアのユーザーをバックに、この融資市場で勝てると考えています。

●私達は、与信、資金調達、回収等の融資事業のノウハウを獲得する為に、280億円でオリエント信販株式会社と資本提携を致しました。同社を選択した理由は以下の二つです。

(1)無店舗で営業しており、かつ未上場では融資残高が最大手である
(2)集客を新聞・テレビ・雑誌など旧来メディアを利用しており、且つインターネットを本格的に使っていなかったから

以上です。

●私達は、融資事業に参入した後、GMO VenturePartners株式会社を設立し、ベンチャーキャピタル事業にも参入いたしました。既に15億円上限の1号ファンド、50億円が上限のWeb2.0・ブログビジネスファンドを立ち上げ、投資を開始しております。

今後もインターネット金融事業を強化して、3本目の柱として成長させてまいります。

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■戦略総括
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ご覧の通り、安定した収益を生む「インターネット活用支援事業(ネットインフラ事業)」をベースに、「インターネット集客支援事業(ネットメディア事業)」と、「インターネット金融事業(ネット金融)」で高い成長を実現いたします。

中長期成長戦略

以上が僕達の事業戦略です。

長文をお読み頂き有難うございました。

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■ご注意及び免責事項
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※このプレゼンテーション資料には、2005年12月16日現在の将来に関する前提、見通し、計画等に基づく予測が含まれています。世界経済、競合状況、為替の変動等にかかわるリスクや天変地異などの不確定要因により実際の実績が記載の予測と大きく異なる可能性があります。またマーケットシェアなどの数値について一部弊社推計値が含まれております。調査機関によって異なる可能性があります。
※当サイトに掲載されている情報は、情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的をとしたものではありません。また当サイト内に記載されている業績予想などの将来の予測に関するものは、リスクや不確定要因を含みます。実際の業績は経済情勢や市場環境など、さまざまな要因により、かかる予想とは大きく異なることがあることをご承知おきください。当該情報に基づいて被ったいかなる損害に関しても、その理由の如何に関わらず一切の責任を負うものではございません。

※1弊社推計
※2Netcraft調査
※3Rankey調査

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