業界で話題の「OpenSocial(オープンソーシャル)」について情報を整理したい。
■登場するサービス
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1)MySpace
世界1位のSNS。News Corp.陣営。ユーザー数は1億1400万人(*1)。ユーザー数増加率前年同期比72%。Googleと親密。2007/11/02にGoogleのOpenSocial(オープンソーシャル)へ参加と発表。
2)Facebook
2004年にスタートした世界2位のSNS。特徴は実名での参加。(僕も参加中!)先日、マイクロソフトがGoogleとの争奪戦の末、2億4000万ドルを出資。時価総額150億ドル(時価総額1.7兆円!)。毎日20万人が新規登録。現在ユーザー数5220万人(*1)。ユーザー数増加率前年同期比270%。5月にサイトを外部アプリケーションに公開し(Facebook Platform)開発者が広告収入をシェアできる。これが成功してユーザー数が更に急増。すでに7000以上のアプリケーションが開発済み。(しかしながら、開発言語がFacebook Markup Languageという独自言語であることが業界で問題視されている。)
3)その他のSNS(ごめんなさい。)
Engage.com
Friendster
Hi5
Hyves
Imeem
LinkedIn
Ning
Oracle
Orkut(Google)
Plaxo
Salesforce.com
Six Apart(TypePad、Movable Type、LiveJournal、Vox)
Tianji
Viadeo
Xing
合計約1億人
(*1)米comScore(2007年6月時点)
■米国SNSを取り巻く環境の整理
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1)Googleは、そもそもSNSで苦戦している。
2)米国では、Facebook(MS陣営)対MySpace(Google陣営)という構図。
3)SNSはプラットフォームとなりつつある。
4)よって、GoogleはSNSについて手を打つ必要があった。それが「OpenSocial(オープンソーシャル)」
■「OpenSocial(オープンソーシャル)」とは?
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1)2007/11/01に発表された、Googleの新しい開発者向け仕様。複数のSNSにアクセスすることが出来る共通API。
2)OpenSocial(オープンソーシャル) APIは以下の3種。
・ユーザーのプロファイルに関するもの
・友人リストに関するもの
・友人に活動情報を知らせるもの
3)開発言語はHTMLとJavaScript(つまり誰でも書ける。)
4)イメージ
http://jp.techcrunch.com/archives/google-opensocial-image-gallery/
5)詳細
http://jp.techcrunch.com/archives/details-revealed-google-opensocial-to-be-common-apis-for-building-social-apps/
6)参加
前述した、その他のSNSが皆参加したとのこと。(そんなに簡単に参加して良いのだろうか…。負け組みは消去法的に参加せざるを得ないということか。)
■「OpenSocial(オープンソーシャル)」の与える影響・考えられるサービス
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1)独自API=APIの元が刀の柄を握る
2)汎用的なAPI=APIの元が刀の柄を握る構図は変わらないが、アプリケーションの開発者が抱えるリスクは低くなる。
3)SNSを提供企業している企業は、Googleに刀の柄を握られるものの、Open Socialを利用してアプリケーションが増える。SNSユーザーにメリット。
4)SNS以外のサービスは、やはり、Googleに刀の柄を握られるもののOpen Socialを利用することでSNS型に変貌が可能。
5)人の趣味や、属性、人間関係を利用したアプリケーションが開発されるので、インターネットが更に楽しくなる。
■ビジネス的視点と結論(に至っていない・・・。近く、追記します。)
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「囲い込みと広告価値」
1)企業は、ユーザーを囲いこみたい=収益。
2)SNSは典型的ユーザー囲いこみビジネスである。
3)囲い込みビジネスは、広告価値が最大化される。属性が分かるから。
「Googleの視点」
4)Googleは、広告を出すページを増やしたい。
5)GoogleはSNSビジネスでは負け組み。
6)SNSは囲いこみだから、SNSがプラットフォームになると、Googleビジネスの障害になる可能性。
7)よって、GoogleはOpenSocial(オープンソーシャル)でSNSを収益源にしたい。
8)Googleにとっては、広告価値の高いSNSに広告配信できる可能性が高まる。
結論(に至ってないが、初期的な感想としては)
1)ニッポンの鎖国→外圧→開国に似ているが(笑)インターネット産業は、勝者は囲い込み、敗者は開放の繰り返し。よって、GoogleのSNS戦略は当然と言えば当然だが、頭が下がります。
2)インターネットのヘビーユーザーや、アプリケーションの開発者さんは、OpenSocial(オープンソーシャル)でさらに面白くなるインターネットの将来にわくわくされていると思います。僕も同様です。
3)しかしながら、インターネットグループの代表として、Googleに囲い込みされるということを意味するOpenSocial(オープンソーシャル)の利用は慎重に検討が必要だと思っています。
皆さんは、OpenSocial(オープンソーシャル)についてどう思われますか?