日本証券新聞に連載されている「長谷部総研のNO INTERNET NO LIFE」にGMOの記事が掲載されました。
【長谷部総研】
まだまだ知られていないGMOインターネットの変身
アンドロイドケータイの飛躍により主力プラットフォーム事業者の地位へ
長谷部潤さんは、元大和総研のネットセクター担当の超有名&人気アナリストです。インターネット黎明期から証券アナリストをされており、技術・業界に精通している上に私達のことも熟知されています。
有料会員版に連載されている為に、本来ネットでは読めないのですが、特にお願いして転載のご許可を頂きました。
私達は、既存事業以外に「5つの成長戦略」を展開しています。その中でもっとも力を入れている事業の一つです。御一読ください。
長谷部潤さんプロフィール:
元株式会社大和総研企業調査第二部上席次長シニアアナリスト
日経アナリストランキング IT/インターネット部門において、2005年から2009年まで1位を2回、2位を3回獲得。また、週刊エコノミスト アナリストランキング IT/インターネット部門において2004年から調査終了まで3年連続の1位を獲得。
現在は携帯電話の位置登録データを利用したゲームである「位置ゲー」の開発会社であるコロプラ社の取締役をされてます。
ブログ:http://ameblo.jp/hasebesouken/
twitter:http://twitter.com/hasebejun
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2010年11月15日付
■タイトル
長谷部総研
まだまだ知られていないGMOインターネットの変身
アンドロイドケータイの飛躍により主力プラットフォーム事業者の地位へ
■本文
少し前になりますが11月1日にGMOインターネット(9449、以下GM
O)主催で「アンドロイドやろうぜ!」というカンファレンスが開かれました。
これは3月18日に開かれたソーシャルアプリ開発支援プロジェクト「アプリや
ろうぜ!」の第2弾という位置付けに当たるものです。このアプリやろうぜ!プ
ロジェクトにより550超の企画が集まり、そのうち27チームが厳しい審査を
通過。そのうち数社がGMOから出資を受けており、10月時点では6社が連結
子会社化、1社が持ち分法適用会社化されております。
つまりGMO自身はアプリ開発を行ってはいないものの、事実上のソーシャル
アプリ事業者といえる中身へと変身したのです。実際、既に18タイトルがリリー
スされ、その中のあるアプリはディー・エヌ・エーが運用する「モバゲータウン」
へと提供。月次で4000万円以上の売り上げを実現しています。このプロジェ
クトはカンファレンスやコンテント、さらには審査通過チームへの場所提供など、
かなりの費用がかかっています。しかしながら月次ベースではキャッシュフロー
は11月にプラスに転じ、損益計算書ベースでも12月には黒字化の見通しとなっ
ております。驚くべきスピードで収益貢献化を実現していると言えるでしょう。
そうした中でのアンドロイドやろうぜ!のカンファレンスでした。アプリやろ
うぜ!と何が違うんだろう?と思われる方も多いでしょう。アプリやろうぜ!は
ソーシャルアプリを開発支援することに主眼が置かれています。そのアプリはモ
バゲー、グリーなど他社のプラットフォームに提供されるモデルです。一方で直
近発表されたアンドロイドやろうぜ!はモバゲーやグリー、もしくはアップル社
のアップストアのようなアプリプラットフォームを目指すプロジェクトです。ア
ンドロイドとは米国Google社が開発した基本ソフト(OS)の名前で、主
にスマートフォンに採用されています。最近になって多くのスマートフォンに採
用され始めており、販売シェアは年内にもiPhoneに採用されているOSで
あるiOSを抜くとまで言われています。アップル社は端末からアプリ販売プラッ
トフォームまですべてを垂直に自身でコントロールするモデルですが、Goog
le社は非常にオープンなスタイルを採っております。そのため一般企業でも自
由にアプリ販売プラットフォームを設定することができるのです。
GMOはそのプラットフォームを「@GMOゲームセンター」、略して「Gゲー」
と称し、サービスを開始する予定です。Gゲーではアクロディア(3823)と
協業し、さまざまなOSに対応する開発ツールや、iPhoneから簡単に移植
を可能とする仕組み、またさまざまな決済手段を提供します。ユーザ側から見て
もGゲー内にはコミュニティー機能やアプリランキング、週刊ファミ通とのコラ
ボによるコンテンツなど充実したサービス内容となっています。
もう1つGMOがアプリ事業やプラットフォーム事業をやる大いなる強みがあ
ります。それはGMOが日本最大級のレンタルサーバー事業者であるということ
です。GMO自身のアプリやプラットフォームが他を圧倒するポジションを獲得
しなくても、アプリ市場そのものが拡大すれば、GMOが有するサーバーへの利
用は拡大するのです。実際に既存のソーシャルプラットフォームの多くがGMO
のインフラを利用しています。アプリ市場の拡大さえ見られれば、どちらに転ん
でもGMOへの業績メリットは大きい、ということなのです。
第3・四半期決算の内容が良かったため、ここ最近株価の上昇が見られました。
それでも今期会社計画EPS(1株利益)は22円、株価収益率は14・4倍に
すぎません。私もアナリストからモバイル業界へと身を転じ、業界内にいるから
こそ初めて分かったことが幾つかあります。その中でも業界におけるアンドロイ
ドへの評価と世間とのギャップは非常に大きいものです。世間ではiPhone
が持てはやされていますが、近々アンドロイドの飛躍的伸びが見られるでしょう。
その時株式市場の主役に躍り出るのはGMOということになるのではないでしょ
うか。