スティーブ・ジョブズの人生から学ぼう。
はじめに 本書が生まれた経緯
ヒューレットとその友人、デビットパッカードがしたことー革新的な創造性がたっぷりと吹き込まれ、創業者よりも長生きする会社を作ることだ(P.4)
創業者より長生きする会社を作る…私自身も強く意識しているポイントだ。多くを学んだ名著「ビジョナリーカンパニー」にも、大切なのは「時を告げる」ことではなく、時を刻む「時計を作ること」だとの指摘を思いだす。
本書に描かれてるのは、完璧を求める情熱とその猛烈な実行力とで、6つもの業界に革命を起こしたクリエイティブなアントレプレナー(起業家)の、ジェットコースターのような人生、そして、やけどをしそうなほど熱い個性である。6つの業界とはパーソナルコンピューター、アニメーション映画、音楽、電話、タブレットコンピュータ、デジタルパブリッシングだが、これに小売店を加えて7つとする人もいるだろう。(P.4)
6つの業界に革命…スティーブ・ジョブズの偉業を再確認。と同時に「8年後、彼と同じ年になった時に、自分はどの程度の事業が出来てるのか?」と自らの力不足も再確認。
第一章 子供時代 捨てられて、選ばれる
「何かを作るとき、すべてをコントロールしようとするのは彼の個性そのもので、それは『生まれたときに捨てられた』という事実からくるものだと思う(P.31)」
「スティーブは『捨てられてつらかった』とよく言っていました。だから彼は他人に頼らなくなったのです。(P.31)」
ジョブズの内面は、「壊れたガラスがぎっしり」という状態になってしまい、それが彼の行動にさまざまな影響を与えているのだ」(P.32)
幼少期の辛い体験が、起業家として成長のきっかけになる事例は多い。自らを振り返っても、親の笑顔が見たくて頑張ったことと、親に裏切られて絶望したことが原点だ。
第二章 おかしなふたり ふたりのスティーブ
第三章 ドロップアウト ターンオン、チューンイン
第四章 アタリとインド 禅とゲームデザインというアート
正直、2~4章については退屈だった。スティーブがLSDを好み、他人に勧め、ヒッピーをし、体臭がひどく、そして、禅を熱心に学んでいたことに驚いたぐらいかな。しかし、後へ読み進めばこの2~4章が大切なことに気づく。
敢えて、書くなら
まばたきせずに相手を見つめる練習もしたし、長めの沈黙とたたみかけるようなマシンガントークとを織り交ぜる話し方も練習した。(P69)
そのころのジョブズは、視線と沈黙で他人を従える術をマスターしていた。(P77)
ジョブズの交渉術やマネージメントスタイルは、努力によって作られたことがうかがえる行だ。20歳のころ、自らの性格を変えたくて努力をした。人は努力で自らのスタイルを変えることが出来る。自らの将来は自らの努力で切り開くものだね。
「スティーブは禅と深くかかわり、大きな影響を受けています。ぎりぎりまでそぎ落としてミニマリスト的な美を追求するのも、厳しく絞り込んでゆく集中力も、皆、禅から来ているものなのです」(P74)
アップルが成功した一つの要因に、ジョブズがこだわったデザインの美しさ、インターフェースの気持ちよさがある。彼の根底に禅があったからなんだ。
6つの業界に革命を起こすには、卓越したリーダーシップ、発想、行動力、技術力が必要だ。しかし、それ以上に大切なのは、失敗や既存の業界・既得権からの抵抗を恐れない精神力だ。ジョブスはこれを自由でハチャメチャな青年期と禅から学んだのだろう。
一人の個性が世界を変えた。益々、この本が面白くなってきた。
今日はここまで。続きは後日。