日経新聞 編集委員 三宅伸吾著「Googleの脳みそ」を読んだ。
全編Googleの話のようだが、Googleも一事例として、日本社会に元気を呼びもどす為の処方箋が書かれている。
「新興衰退国」と揶揄される日本。このままで良いのか?社会の仕組みは変えることが出来る。それには「文句を言うこと」だと著者は言う。口のみならず、時には手足を動かすべきだと。
豊富な事例と深い洞察力。中身の濃い本だ。読み進むうちに再び日本を高い経済成長へ戻したいという著者の気持ちがひしひしと伝わってきた。
第1章「Googleの脳みそ」では革新的な事業モデルで急伸した巨大ベンチャー企業経営者の思考回路を探ります。結論を先に言えば「許可をもらうより謝る方が楽だ」という発想です。この発想は、「邪悪ではなく、社会にとってよいことだと思えば果敢に挑戦するのが正義である」との確信に支えられているようです。
多少危なっかしくても、社会にプラスならやってしまえ!許可をもらうよりダメなら謝る方が楽だと、堅いマスコミ業界の方が言っている。
変わらない政治、既得権益の跋扈、過剰規制、正直この国の将来は暗いと思っていた。
以前は、ベンチャー叩き一色だったマスコミ業界。その、マスコミ業界の中から、今の世の中には僕らベンチャーと同じ革新的な思考回路、行動力が必要だと、声を大にしてくれる方が登場したことも意味深い。
同じ問題意識を持っていた著者の、明快な提言を読み終え、すがすがしい気分だ。
そして、『自分の脳みそで徹底的に考えろ』という三宅さんの指摘には、はっとさせられた。
三宅さんって、企業家精神・ベンチャー精神溢れる方ですね。
いろいろな意味で大変勉強になりました。読書の秋。皆さんにお勧めの快著です。